アルファロメオ4Cに試乗しました 前編

私はボクスターの前はアルファ159を所有しており、アルファロメオは常に気になっているメーカーです。4Cも発売前(159所有時代)から気になっていたモデルでしたが、幸運にも試乗する機会がありました。ボクスターを含めて、今まで乗ったどんな車ともかけ離れていました。強烈な個性と楽しさを持つ車でした。

ディーラーの担当の方から伺った話に私の感想を交えつつ記録を書きます。前編では外観やインテリアなどを中心に書きます。後編では実際に運転した感想を書く予定です。

マカンの時と同様にクルマに夢中で写真をほとんど撮り忘れたのが悔やまれます。最後に慌てて数枚撮っただけです。

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試乗車両のグレードなど

車両本体が税込みで約806万円です。高価です。今回の試乗車両はスポーツパッケージ(インチアップ、スポーツサスペンション、スポーツエキゾースト)とレザーパッケージが付いており合計で60万円程度のオプションです。ポルシェのオプション価格から考えると、パッケージ内容は非常にリーズナブルで良心的だと感じました。ポルシェも見習って欲しいです。買うならスポーツパッケージは付けたいなと思いました。

4Cはとんでもなくスパルタンな仕様です。標準ではナビどころかオーディオレス(もちろんナビ無し)です。ナビの設置費用、その他諸費用で、乗り出し価格には上記の車両本体+オプションにプラスして100万円ほどを見る必要がありそうでした。

したがって、今回試乗した車両だと乗り出しが税込みで950万円前後という感じでしょうか。非常に悩ましい価格です。あと300万円、、いやせめて200万円安ければと真剣に思います。高いよ。

4Cのスタイル

まず目を引くのはスタイリングです。抜群にカッコいいです。アルファ8Cから連なるMito顔の最後になるだろうとのことでした。前、横、後ろ、どこから見てもハートを鷲掴みにされるデザインで、さすがアルファロメオと唸らせるものがあります。

複数の小粒なLEDからなる独特なヘッドランプの形状は、近々で無くなるかもしれないとのことです。米国ではボクスターのような一般的な形状のヘッドライトらしく、今後米国仕様に統一されるかもしれないとのことです。

個人的にはヤツメウナギのようなヘッドランプ形状は「良い」と思いました。これだけのアグレッシブで非日常的なデザインの車ですから、このぐらいのインパクトで良いと思います。ライトを点灯してもカッコ良かったです。

4Cのインテリア

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全体的に非常スパルタンです。軽量化重視です。防音処理さえほとんど無いです。防音処理がほぼないというだけで、ドア閉めた音の印象から違います。快適な自動車に乗っているというより、4つの車輪が付いた構造体に乗っているような感覚がします。

標準ではオーディオレスです。エアコンは当然マニュアルです。コックピットまわりはしっかりして高級感を感じる部分もありますが、コンソールまわりは簡素です。簡素ですが似合っています。4Cにはスパルタンが似合います。

シートも当然電動シートではありません。手動でポジショニングをします。シートをスライドさせる時のガチャガチャという音がよく響きます。鉄のレール(実際はカーボンかな)の上でシートを移動させてるような音です。電車が線路をの上を走るといったらよいでしょうか。要するに無骨でスパルタンなわけです。走ることへ以外の配慮がほぼ無いので4Cに乗ることで、普段乗っている他の車が、いかに色々なことに気を使って作られているのか分かる感じがします。エンジンをかける前からレーシーです。

ミッドシップエンジンの2シーターなので、当然後席はありません。2シーターのクルマならどれも大差なさそうで、狭さ感はボクスターと大して変わりません。ただ助手席にダッシュボードが無いとか、細かく見ていくと色々不便そうではあります。ダッシュボードには何かしら荷物を入れてるでしょうから、それらの置き場所をゼロベースで再考する必要があります。

また記憶が曖昧ですが、ドア部分のサイドポケットも無かった気がします。ドア横にストラップ(ポルシェのGT系のような)が付いていたので、恐らく肘掛けもないしサイドポケットも無かったと思われます。軽量化のためでしょうし、スパルタンなクルマという軸で作られているからなのでしょう。

唯一記憶にある物入れは、運転席と助手席の間にドリンクホルダー(たぶん1個だけ)があったぐらいです。携帯や財布なども置き場所にも悩む感じかと思います。(たまたま手ぶらで乗ったので意識しなかった)

4Cの実用性など細々

実用性を語るクルマでは無いですが、セカンドカーを持てない私のようなタイプには最低限の実用性は気になります。ので、実用性という観点から気になった部分をいくつか。

まずは乗り降りからです。サイドがかなり分厚く感じて乗り降りは、大変だなと感じました。踏まないように乗るのに気を遣います。女性は短いスカートやハイヒールだとかなり苦労しそうです。よほど理解のある女性じゃないと好意的な意見は得られないと思われます。女子会などでコッソリ酷評されてもおかしくない程度には4Cは乗降しづらいです。

後方視野は厳しいですね。周囲の状況はサイドミラーのみで掴むのが基本だと思われます。慣れのせいもあるとおもいますが、幌を閉めたボクスターよりも見えづらい印象でした。車庫入れも困難を極めると思われるのでバックカメラも必須かなと思いました。

車内の収納が無いのが大変そうです。助手席に荷物を置くと割り切ればいいですが。二人で乗るとなると財布や携帯をどうするかなと。車検証や保険関係などはトランクで良いかなと思います。

トランクは無いと思っていたのですが、ありました。諦めていたものが見つかると嬉しくなりますね。後ろに小さいですがトランクは存在します。トートバッグ二つ分程度のスペースです。ボクスターの後方トランクと同程度のサイズかなと思いました。荷物を減らす努力をすれば二人で1泊旅行はギリギリ可能だと思います。個人的にはそこまで悲観しなくてもいいかなと思えるサイズでした。ただ、「無い」と思っていたものが「有った」という心理的効果でトランクを過大評価している可能性はあります。

全長は短いのですが全幅は大きくて1870です。これはわりと気を遣うレベルの横幅かなと思いました。車両の長さのわりに横幅が大きいので不思議な感覚です。小さいのか大きいのか分からなくなります。

パワステが付いていません。重ステです。停車状態では情け容赦ないステアリングの重さです。切り返しや駐車はかなり大変だと思うレベルですね。華奢な女性の方だと絶望するぐらいの重さをイメージして下さい。ちょっと転がせば楽になるんですが、クリープがないのでアクセルは軽く踏まないといけません。クリープが無いのは慣れてしまえば問題ではないです。

車庫入れや駐停車には不向きな重ステですが、ひとたび走り出すと絶妙に気持ちいいステアリングに豹変します。しっかり操作してる感覚と安心感がありました。ボクスターもとてもハンドリングがとても良くて大好きなんですが、甲乙つけがたいぐらい良かったです。

車高が低く車検ギリギリの地上高とのことでした。最低地上高が公式上は9cm、実際はかったら10cm程とのことでした。ぱっと見た感じでも車高はかなり低く、スロープや駐車場などでは気を使った方が良いかなと思いました。顎を擦ってもめげない心構えはあった方が良さそうです。

 

後編へ続きます

アルファロメオ4Cに試乗しました 後編