吹割の滝(ふきわれのたき) 番外編 熊よけの鐘

橋の上からの絶景の後も遊歩道は続きます。遊歩道の全体は下のようになっています。青丸の部分が前回書いた場所ですね。右上が駐車場になります。吹割の滝をグルリと囲むように遊歩道があるわけです。左の青丸に「現在地」とありますが、その橋から撮ったのが前回使った写真です。

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青丸部分と下の黄丸部分で様子はかなり異なります。私はちょっとオシャレなローファーを履いていったのですが、青丸部分でローファーはOKですが黄丸部分はNGですね。スニーカーが必要です。

 

そんな黄丸部分の遊歩道も出足は緩やかです。コンクリートの舗装こそ無くなりますが、ローファーで歩ける道が続いています。これに騙されて先に進むと後々苦労します。

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しばらく進むと「熊除けの鐘」の案内板があります。そして「熊除けの鐘」が置いてあります。こんなもんで熊が除けれるとは到底信じられません。第一ですね「熊除け」は備え付けです。持ち運べません。その場で一回チーンと鳴らせば大丈夫とかちょっと信じられません。せめて手に持ってチンチン鳴らしながら進むとかなら説得力あるんですが。本当にこれで熊がよけれてるんでしょうか。不安です。

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冗談みたいな熊除けですけど、冗談ではないようです。一定間隔で熊除けの案内板と、熊除けの鐘が設置してあります。本当に熊が出るんだと思います。不安です。

もともと小心者なのですが、周囲には誰もおらず(本当に誰もいない。みんな橋で引き返す)、今更引き返すのも遠過ぎて嫌です。心細さが半端じゃありません。しかも追い打ちをかけるように「足下と頭上」に注意という余計な情報が目に飛び込んできます。周囲の至るところに熊の存在を感じます。赤丸でつけた木の影がみんな熊に見えます。嫌すぎます。

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遊歩道を進んだことを深く後悔し始めた頃にやっと「第一観瀑台」に到着します。第一観瀑台から吹割の滝を見下ろしますが、夏なので草木が生い茂って見通しがよくありません。遠いので小さいです。それよりなにより、熊への警戒を怠るわけにはいきません。滝にかまけて背後がお留守では危険すぎます。観瀑に集中できる環境じゃないですね。猟師に常駐してもらいたいです。

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「第一観瀑台」を過ぎても状況は好転しません。むしろ足下はどんどん悪くなります。相変わらず私以外には誰もいません。人の気配が全くなくて、あるのは熊の気配ばかりです。どんどん山奥へ進んでいる感覚があります。歩き始めて相当な時間が経っていると思われますが時間の間隔がよく分かりません(実際は小一時間歩いていました)遊歩道で遭難してるんじゃないだろうか?と思うレベルです。

そうこうしているうちに「第三観瀑台」に到着します。「第二観瀑台」を見逃したわけです。

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「第三観瀑台」を過ぎても石ころだらけの道が続きます。ネイビーブルーのローファーが土埃でくすんでます。しかしここでついに人とすれ違います。少し年配の女性二人組です。ちゃんとしたハイキングルックです。これは嬉しかったですね。人が通る道を進んでいるという確信を得られたのは大きいです。すれ違いざまに「山を舐めるな」という目で見られました。是非もなし。

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しばらく進むと分岐があり地図(案内板)がありました。案内板には「天狗山登山案内図」と書いてあります。私は「吹割の滝 遊歩道」を歩いていたはずです。不思議です。

元来方向音痴で、適当に道を進むのですが、この時ばかりは頭をフル回転させて案内板を読み込みました。分岐を間違えて標高1000mの登山コース(オレンジの線)に放り込まれたら、本当に遭難すると思いました。

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分岐を経てしばらくすると、久しぶりの文明の香り「鉄の階段」を見つけました。嬉しかったですね。

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しばらくあるとクルマを駐車した通りに無事でることができました。かれこれ1時間近く歩いていましたね。駐車場にあった軽食店に入りました。熱いホットコーヒーを頼み、たっぷり砂糖を入れて飲みました。疲れました。